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今宵のDVD 『ぬくぬく』

映画なのだろうか・・・・猫好き以外見るべからず

先日、レンタルで「ぬくぬく」のDVDを借りてきて鑑賞した。

久びりに感想に困っている。
この「ぬくぬく」を映画と言ってしまっていいのだろうか・・・と悩んでしまう。

ゆるいというか実にほのぼのとした映画ではある。
大まかなに言うと猫と人間の同居の話だ。

この映画、殆ど1匹の同じ猫と、1人の同じ人間しか出てこない。
猫、猫、猫、猫、たまに人間、そして猫という映画だ
勿論、猫好きには「あるある」エピソード満載で始終ニヤニヤの止まらない映画であろう。
かくいう私も猫を飼っているので、この話が面白いと思える人間なのだが、猫好きでない人がこの映画を楽しめるのかと言えば、かなり疑問に思う。

映画を楽しめない程辛い事もないので、「猫好き以外見るべからず」の映画なのだ

この映画は6つのエピソードから出来ている。
6つのエピソードを通して、全体的なストーリーを作っている。
とはいえ、どのエピソードから見たところで、さほど影響はないと思うが、まぁ最初から見た方が無難だろう。
ネタばれになるといけないのでエピソードには触れないが、まぁ猫好きならば、想像をそれ程外れはしないだろう。

主人公は勿論猫なのだが、人間の方の主人公を温水洋一氏が演じている。
彼の独特の雰囲気がこの映画を一層ほのぼのとさせている。 実に個性的でいい役者さんだと思う。

舞台は鎌倉だろうか、古い街並みがあり、坂があり、向こうに海が見える。
主人公は下駄をはき、昔ながらの籐で編んだカゴを抱えて買い物に出かける。
彼の住み家も古い和風建築で、質素ではあるが昔ながらの暮らしがそこにあると思わせる。
この映画は猫だけではなく、それらのシチュエーションも見る者に安心感や安らぎを与えているのだと思う。

私は映画の楽しみ方の一つとして、サイレントで流すという事をする。
音声を消して、無音で映像だけを流すのだ。
洋画であれば字幕も消した方がいい。
サイレントで流すのは、私の場合決まってお気に入りの映画なのだが、作業の合間合間にふと目をやると、そこにお気に入りの映像が流れているという、なんとも贅沢な気分になれる愉しみ方なのだ。
サイレントは特にお気に入りでなくても構わない。
アクション映画をサイレントで流すのもとても面白い。綺麗な映像ならそれだけで楽しいと思う。
この映画もサイレントに向いているのかもしれないと思った。

ゆるい映画だし、オムニバスに近い構成なので、最初から最後まで見ている必要はない。
勉強をしながら、ごはんを作りながら、仕事をしながら、明日の準備をしながら・・・
そんな時に流しているのもいいんじゃないかなぁ

今宵のDVD 『言の葉の庭』

美しいアニメです。

先日、レンタルで「言の葉の庭」のDVDを借りてきて鑑賞した。

個人的にアニメは好きな映画のジャンルだ
実写には出来ない独特の表現方法があって、映画の一ジャンルとして十分だと思っている。

アニメはどうしても子供の物だという感覚がぬぐいされない人もいる。
今となっては少なくなって来ているのだろうが、それはそれで全く悪い感覚ではないと思っている。

でも、大人が見て十分面白いアニメもあるし、もっと言えば、大人だから面白さが分かるアニメもある。
だから、一度、今のアニメ映画を見てみてください・・・と言ってみたくなる。

今回の「言の葉の庭」が、大人向けのアニメなのかは正直分からない。
でも、今の年齢だから分かるんだろうなぁという主人公達の想いというものを感じた。
それは作る側の人間が「子供騙し」と思ってアニメと向き合っていないという証拠なんだと思う。

で、映画についてですが
まず、この映画を見たおそらく誰もが思うだろう事は映像が物凄く綺麗だということ。
写真や実写を組み合わせたのではないかと思うほどの美しい映像が作品全体を形作っている。
特に雨のシーンはスタッフの気概が感じられる。
風景だけではない。 女性の服や靴といったアイテムがとても綺麗に表現されている。
そういう細かいところをリアルに表現する事で、ストーリーにもリアリティを感じさせているのだろうと思う。

予告編ではストーリーの事には殆ど触れられていないので、ここでもネタばれには気を付けて書く事にするが・・・

このお話は15歳の少年と大人の女性の物語。
私は男なので、この少年の気持ちはよくわかる。

早く大人になりたいと願う年頃の少年が、大人びた女性を通して感じる、憧れの世界。
少なくとも自分は彼女に好意を持っていること、そして自分が彼女の前では背伸びをしようとしていることは、何となく自覚はしている。
でも、彼女はそれをきっと見透かしているのだろう、彼女の眼には自分はやはり子供と映っているのだろう・・・
そういった大人になれない歯痒さからくるであろう自虐的な妄想。
それらが作品を通じて伝わってくる気がする。

一方の女性は社会人
少年の憧れる「大人の世界」と言えば聞こえはいいが、実際にはそんなに美しいものではない。
大人の世界で生きる女性が見出す、何も知らない少年の透き通るような純真さ。
その純真さに救われようと少年に手を伸ばそうとする。 しかし自分が少年に手を伸ばしてしまう事への罪悪感にも似た葛藤。
少年が追う夢を眩しく想い、出来る事なら叶えて欲しいという願い。
それとは裏腹な自分の人生への落胆。

少年と女性のそれぞれの思いが、作品の中で絡み合い物語は進んでいく。

私の解釈が監督の意図したものかどうかは分からない。
しかし、この作品はただストーリーを追うだけではなく、大人だからこそ想像したり重ね合わせたりして主人公の想いをリアルに感じる事の出来る映画だと思う。

この映画は、短い作品ということもあり、お話を読み解く細かな描写があるということと、全体的に静かな作品なので、大事なセリフを主人公がサラッと喋ったりする。 
なので、難しく考える必要はないが、作品とキチンと向き合って見た方がお話を楽しめるかなぁと思う映画だ。

あぁ、そうそう
この作品の主題歌は大江千里さんの昔の歌を今の歌い手さんに歌ってもらったものなのだそうだ。
私はエンドロールでそれを知ったのだが、大江千里といえば、私の青春時代にブレイクしたミュージシャン。
叙情的な彼の歌がこの作品に合っており、「監督、やるなぁ」と一人ほくそ笑んだ。

最後に残念な点を少し・・・
この映画は約46分程の作品だが、今の時代の映画としては短すぎる部類にはいるだろう

これはスポンサーの都合なのか制作側の限界なのかは分からないが、作品をみた感想として、もう少し時間をあげればよかったのではないかなぁと思った。
美しい映像を短い映画の中で効果的に演出しようと思えば、どうしてもストーリーに割く時間も必然的に短くなる。
その尺の短さ故にストーリーが簡潔になってしまっている。
ストーリーだけではない。  ストーリーの簡潔さの為に設定もどうしても簡潔にならざるを得ない。
せめて倍、いや30分だけでもこの作品に時間があげられたら、もっと設定に奥行きが出せただろうし、ストーリーも複雑に、重厚になっただろうと考えると、とても惜しい作品に感じてしまう。

今宵のDVD 『ぱいかじ南海作戦』

先日、レンタルで「ぱいかじ南海作戦」のDVDを借りてきて鑑賞した。

私の大好きな阿部サダヲ主演の映画である。
彼は本当に良い俳優だと思う。 シリアスもでき、コメディーもでき、個性的で、表情も演技も上手い。
彼が主演というだけで期待が高まる。

で、この映画は私の期待通りの映画であった。

阿部サダヲが今回演じる佐々木は、都会で傷ついた一人の男。
失業と離婚が同時にやってきた男は、全てをふっきる為に全財産を持って一人で南の果ての小さな島へと旅立つのだが、南の島で出会ったのんびりとしたホームレスの人たちに心を許してしまい、持物を全部盗まれてしまう。
そして、財産が何一つ無くなってしまった佐々木の南の島でのサバイバルが始まる

というストーリーなのだが、この辺りは予告編に出てきた話なので、ネタバレとまではならないでしょ

南の小さな島とは、沖縄の西表島の事のようだが、作品全体を通して南の島の青い空と、碧い海、白い砂と緑豊かな自然が映し出されている。
しかし、映画の中には確かに美しい風景が映し出されているのだが、観光気分を誘うわけでも、風景に見入ってしまうような演出があるわけでもない。
いや、多少はあるか・・・

それ程お話が面白くて、美しい風景だけが私の目を引くという事がなかったのだ。
確かに一応サバイバルといえばサバイバルのお話だし、観光名所とは無縁の映画ではあるのだが、美しい風景は、たまたまお話の舞台が南の島だっただけ・・・そう思わせる映画なのだ。

主人公の佐々木という男は、色も白く、頼りがいもなさそうで、奥さんに離婚されるのも仕方がないかと思わせるような情けない外見の男なのだが、純真で、人を信じやすく、責任感もあり、それ故に彼を知るほど離れがたく魅了的に思えてくるという愛すべき内面を持つキャラクターだ。
物語の随所に、佐々木の情けなさそうな行動と、それなりに頼りがいがあるところを見せようとする行動、悪になりきれない人の良さ、決意を現す男らしさなどが入り乱れて現れる。
この難しい役柄を阿部サダヲが見事に演じきっている。
正に彼でなければこの役は出来ないのではないかと思わせるようなはまり役なのだ。

主人公の佐々木を通じて、阿部サダヲの魅力が全面に出てくる。
ただひたすら阿部サダヲの映画・・・・そんな気さえする。

阿部サダヲ以外にも、個性的であったり、佐々木と共鳴するような魅力的な性格の登場人物が出てくる。
映画としては
のんびりといえば、のんびり。
ゆるいといえば、ゆるい。
ハラハラドキドキするかといえば、まぁ少しはするかなぁ・・・と、まぁ良くわからないのが正直なところ。

しかし、この映画はどんなジャンルの映画かなどと、あんまり難しい事は考えずに、とりあえずお話の中に入って行くというのが、一番この映画を楽しめるのではないだろうか。

とはいえ、お気軽に流し見をするには少々勿体無いと思える良い映画だと私は思う。

で、これはお話の設定に対する個人的な感想なのだが
主人公の佐々木には、映画の冒頭で失業と離婚が同時にやってきたという話の時に、失業の時に離婚って、奥さんそりゃないでしょ! と男としては思ってしまった。
もう少し旦那さんをだな・・・とまぁ映画とは全く関係無さそうな感想なので辞めておきます。


余談ではあるが
映画の予告編というのは非常に面白い。
多くのDVDにはキャプターというか特典映像に予告編が入っている。
私はいつもDVDを借りる時には、映画を観終わった後にこの予告編を見るのを楽しみにしているのだ。

この「ぱいかじ南海作戦」にも予告編が3種類入っている。
ネットで流れている予告編とは違ったものがあり、またそれも面白いのだ
DVDで鑑賞される方は、是非この予告編をご覧になる事をお勧めする。

『映画好き』ですか? いいえ、エセです・・・

私は最近ブログを始め、映画の話なんかを書き始めたのだが、「映画好きなんですか?」と聞かれると困ってしまう。
というのも「映画好き」とは何だろうという事で分からなくなってしまうからだ。

○○好きといえば・・・
例えば、
酒好きなら、いつもお酒を飲んでいる人。
パチンコ好きなら、しょっちゅうパチンコ屋さんに行っている人。
野球好きなら、野球をよく見ている人、やってる人。
みんなそんな感じだろう。

では、「映画好き」は?
やっぱり、沢山の映画を見ている人になるんだろうなぁと思う。
そういう意味では、私は映画好きの中には入れてもらえないんだろうな。

私が映画館に行ったのは、もういつになるだろう・・・
確か「テルマエロマエⅡ」だったかな。 それも何年ぶりかの映画館だった気がする。
別に映画館に行く事だけが映画ではないとは思っている。
DVDを買ったり借りてして鑑賞する人、テレビの映画番組を毎週楽しみにしてる人。
それぞれの形があっていいと思う。

では、かくいう私はというと
確かに学生時代は、ちょくちょく映画館に行っていた。
友人と土曜日にはオールナイトの映画を早朝まで繰り返し見ていた。
その頃はレンタルビデオもない時代だったから、映画を見るなら映画館に行くか、テレビの「金曜ロードショー」みたいな番組で見るくらいしかなかったのだ。
「趣味:映画鑑賞」というのが、履歴書で持て囃された時代だったのだが、私も映画好きを自称していた。
その頃の話は、また書く機会があると思うので、またそちらで読んでいただくとして・・・

社会人になった頃、会社の先輩に生粋の映画好きがいた。
その先輩は休日になると、あてもなく映画館の多い駅へと行き、その場でその日に見る映画を雰囲気や気分で決めるのだという。
それこそ、ヨーロッパ映画も見ると思えば、「東映マンガ祭り(当時あった小学生向けの映画が何本かセットになった商品)」や「ドラえもん」なども子供達に混ざって見ていたりしたそうだ。
面白い映画に当たった時は、気分がいいので別の映画館へ行ってみたり、面白くない映画だった時は、気晴らしにまた別の映画館に入るなんて事も珍しくなかったようだ。
彼が「映画好き」というのであれば、私はスプラッターは見ないし、悲しくて泣ける話は見ない、西部劇や時代物は見るが、戦争物は見ない。
そんな選り好みをしている時点で映画好きとは言えないだろうとつくづく思う。

それだけではない。
私は家庭の事情もあってその会社を辞め、仕事を転々とし、忙しくて今を生きるのがやっとの生活が何年も続いた。
その頃は映画館はおろか、レンタルビデオすらも見る心の余裕も、お金の余裕も、時間の余裕もなかった。
だから、私は「映画好き」という程の映画を見ていない。
そういった意味でも、私は「映画好き」ではないのだ。


だけど映画はいい。 やっぱり映画はいい。

映画を見ていると、まるで自分の身体の中で今まで止まっていた血液が、再び流れ出すような感覚になる。
わくわくする、どきどきする、違う世界に憧れる、夢を見る、恋焦がれる。
そういった生活の中で忘れてしまいそうになる感覚が、その時だけでも蘇ってくるような、そんな感じになるのだ。

私は「映画好き」では無いかもしれないが、映画は好きです。

今も苦しい日々は続いているが、あの頃と比べると映画を見る心の余裕が少しは持てるようになったし、レンタルもDVDになり値段も格段に安くなった。
そのおかげで、日々の少しだけでもDVDの映画鑑賞に充てる事ができるようになりました。

そんな人間が書いているブログです。
映画で無い事も書くと思います。
それでも良ければ、少しだけお付き合いいただければ幸いです。

今宵のDVD 『しろくまカフェ』

妙にシュールな、ほのぼのアニメ

先日、レンタルで「しろくまカフェ」のDVDを借りてきて鑑賞した。

私はこの作品の存在を恥ずかしながら今まで知らなかったのだが、知人の勧めで見る事となった。
この「しろくまカフェ」は、マンガが原作のテレビアニメをDVDにまとめたもので、1話が約25分。
1話は2つのストーリーで構成されており、それが4話分収録されているので、約100分の作品だ。

調べてみると、このアニメは結構な人気があるようで、東京の高田馬場(早稲田大学の近く)に、このアニメをモチーフにして、アニメに出てくるカフェをそのまま再現したお店まで作られているとのこと。
いやはや知らないとは恐ろしい事ですね。

このアニメを見た感想は
「妙にシュールなほのぼのアニメ」といった感じだろうか。

カフェを経営するのは白クマ。
そこに人間が普通に客として訪れている。
人間以外にも、ペンギンやパンダ、コアラやラマなどの動物もやって来る。
主役は動物、しかし白クマに雇われているカフェの店員さんは人間の女性という何ともシュールな話だ。

しかし、話の中身というと非常にゆる~いテンポで、ほのぼのした話が展開されていく。
例えば、客の一人であるパンダは、働くのが大嫌い。
カフェの隣のわりと裕福そうな広めの家に住んでおり、ニート生活を送っていたのだが母親に怒られて仕方なく仕事をさがし、近くの動物園に非常勤の雇われパンダとして働く事となる。
仕事が無い日や仕事帰りに「しろくまカフェ」に寄り、動物園仲間らと動物トークに花を咲かせるというほのぼのストーリー。

ほのぼのだけが魅力ではない。
主となるキャラクターは、店員の女性以外は殆どが動物なのだが、その動物の描き方がなかなかリアルなのだ。
アニメに出てくる動物というと、つるんとしたとか、ぶよぶよしたとか、ふわふわしたという質感が多いと思うが、この作品に出てくる動物はそうではなく、キチンと毛が描かれているし、パンダに至っては、顔や仕草は可愛いのにキチンとキバもある。
カフェで注文するのが、笹だったり草だったりと細かいところでリアルなのだ。

他にはペンギンの肩を揉もうとした白クマの詰めがペンギンの皮膚にささってしまうとか・・・
お弁当をもって昼間にお花見に行くが、つまみを買いに行ったナマケモノが帰ってくるのは誰もいなくなってしまった夜だった。
でも、店長のしろくまだけはちゃんと待っててくれいて、二人で夜桜を見ながらお酒を汲みかわすとか・・・

妙なところでシュールであり、全体としてはほのぼのしていて、細かいところでリアルという、このアニメ独特の世界観をもった作品で、飽きの来ない良いお話だと思う。

この話は連続物でもないし、1つのストーリーが大体10分くらいなので、気軽に見始めて途中でやめるなんて見方も悪くないと思う。おやすみ映画にしても続きが気になって眠れないなんて事もなくいいんじゃないだろうか。
DVDも何本も出ているようなので、全てのストーリーを見るのには結構時間がかかるだろう。
のんびりしたい時に手軽にチョイスするにはとってもいいDVD作品だと思う。


プロフィール

Danzig1023

Author:Danzig1023
ニコニコ動画とこえ部で
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